あるワーキングマザーの呟き

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横山大観のプロ意識が凄い

山種美術館で開催中の「日本画の挑戦者たち」を鑑賞してきました。

近代以降の日本画壇において先導的な役割を担ってきた日本美術院(いわゆる美術学の権威的な施設)において、特にめざましい活躍をみせた横山大観菱田春草小林古径速水御舟など、才気あふれる画家たちの挑戦の軌跡をたどることを趣旨とした展覧会です。(参考:山種美術館

http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html

 

所狭しと並べられた作品にはいずれも、それぞれ独自の世界観が広がり、静かなパワーに満ちていました。明治以降、世界の美術界における「日本画」の存在感をしっかりと打ち出すべく、新進気鋭の画家達が、試行錯誤と挑戦をし続けた、痕跡を確認することができます。

 

一番印象に残ったのは横山大観の「喜撰山」。この絵だけ、ほんのり輝きを放っているような気がしました。が、気のせいではありませんでした。紙の表面を薄く剥いで、裏に金箔を貼り、ここ、京都宇治市特有の赤土の色味を表現したんだとか。大観51歳の時の挑戦。

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大観の作風は好きですが、正直素人なので画家としての評価は専門家に頼るしかないですが、ひとりのプロとしては間違いなく素晴らしいと確信しました。

 

今日は仕事する傍ら、大観のこの絵を目に入るようにしてみました。情熱的なパワーを分けてもらえたような、そんな気がしました。

 

速水御舟《昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯》

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展示会で撮影を許可された2点。二つは対比関係になっていて、前者はシルバーや静、後者はゴールドや動を表しているのだそう。また写実主義が特徴で、蛾は専門家が見てどの種類か判断のつくレベルに、本物に忠実に描かれているのだとか。