前回の続き&妊娠中に感じこと
あっという間に数週間が過ぎました。
義両親が泊まりにきたその日に、下の子が高熱を出し数日間続き(結局、突発だった)、ようやく治ったと思ったら、今度は上の子が鼻風邪をこじらせて喘息発作のような絶え間ない咳が出続け、ようやく回復してきて一昨日遠足に送り出せたところです。そうこうしている間に夫が今秋二度目の海外出張で、ワンオペ育児のなか、明日もまた園行事(役員として参加)。育児中あるあるなバタバタな日々を過ごしています。
さて前回の続きです。
ジェネリック推進をやみくもに訴えることに違和感を覚えたという話でした。結局何が言いたいのかというと、以前に普及していたものと異なる価値観を推し進めていくならば、できるだけ適正なロジックや数字を揃えるか、あるいは信頼するに足る第三者機関に証明をしてもらうなど、受け手が納得できる材料を揃えたほうが良いのではないかということです。
それが人の命や健康に関わることであればなおさらです。すぐに治るようなものだったり、きわめて軽症なケースならまだしも、命にかかわるものだって当然あるし、一生付き合っていなかければならないような症状だってあるわけです。それは誰もが慎重になります。ましてや胎児や子供のこととなれば、親が責任を重く受け止め、神経質になるのも当然のことです。
ちなみに私が二回の妊娠と授乳を通してのエピソードをご紹介します。
妊娠中と授乳中は、診療所へ行ってもあまり薬を処方してもらえません。厳密に言うと、去痰薬などの弱いお薬は出してもらえますが、効果の強いとされるアレルギー薬や抗生剤などは出してもらえないケースが多かったです。妊婦や授乳中の女性が服用することでの胎児や新生児への影響について、製薬企業の実施する臨床試験では問題ないとする結果が出ていないので(そこまで製薬企業もそこに注力してもメリットもないため、あまり活発には試験されていないようです)、多くの薬は妊婦や授乳中女性への投与は原則禁止や相対禁止などとし、処方OKとは記載していません。これはまぁ世間一般の通説として仕方ないことと諦めていました。
でもだからといって、インフルエンザワクチンを打たないで妊婦がインフルエンザになったらどうでしょう?その方が胎児にとって悪影響になるとは思いませんか?そんな声があったのも事実です。
産科・小児科のトップクラスである国立成育医療センターでは、国内外にわたる最新の研究結果にもとづき評価した結果、授乳中でも多くの薬は服薬しても問題ないと判断し、以下のような情報発信をしています。
ちなみに妊婦については研究継続中(公開準備中)です。
私は妊娠する3~4年前、仕事のストレスなどが原因で温性じんましんという病気になってしまいました。毎日アレルギー薬を服薬しないと、じんましんが出てしまいます。一回出てしまうとなかなか引かず、出ると痛いわ痒いわで眠れないので、薬は命綱のようなものでした。妊娠してからは体質が変化したのか、毎日薬を飲まなくても症状が出なくなりましたが、疲れがたまったりしたときには、やはり不意に出たりもします。そんなわけで、時々皮膚科にはお世話になっていました。それまで常用していたのは「アレグラ」でしたが、妊婦には強すぎるということで、出してくれた薬は「ポララミン」という、かなり古い薬でした。効いているんだか効いていないんだか分からないくらいの微弱な効き目でした。
下の子を出産するとき、実は成育医療センターに通院していたのですが、じんましんが出たと相談したところ「アレグラ」が処方されました。診療所でポララミンを処方されていたことを伝えると、担当医に「ポララミン!」と鼻で笑われたのが衝撃的でした。その後出産して退院する時(つまり授乳中)も、アレグラを処方されました。上記のサイトにも掲載されている薬です。
何を言いたいかというと、然るべき施設で適正に妥当性を評価されたものであれば、既存の価値観がなんであれ、世の定説がなんであれ、すんなりと受け入れられるものです。製薬メーカーがOKを出していないからという理由だけで(データは別のところもあるはずです)、妊娠中や授乳中には多くの薬が処方されないことになっていました。一種の思考停止です。でも実際は違うよね、と成育医療センターはデータ評価を経て証明したわけです。そんなリスク、誰もがとりたくなかったはずです。
思考停止のまま右から左に流されるのが一番危険かと思います。国が使えと言っているならジェネリック使っても大丈夫なんだというのは、ちょっと怖い。なのに、その矛先を「育児世代」に向け、「育児世代の意識が低くて、子供の医療費が無料だからジェネリックを使わないようだ」なんて論調に持っていかれると、もうよくわからない次元の議論になっていきませんか?
厚労省はとても素晴らしい省だと思います。しかし過去に何度か国民の健康を害する失態を引き起こしているのも事実です。第三者機関に評価をゆだねるなりして、「大丈夫だよ」を裏付ける材料を準備すれば、より普及していくのではないだろうか。。?
そんなことを考えさせられた記事でした。
ジェネリックの讀賣記事について
メディカルエディターの端くれにつき、こんな記事は嫌でも気になります。
「子ども医療費無料だから」ジェネリック使わず(読売新聞)
https://www.yomiuri.co.jp/science/20181016-OYT1T50043.html
思わず中身を読みましたが、タイトルの付け方が強引だなというのが一番の印象でした。医師や薬剤師へのインタビューで、彼らが憶測として話している一部をカギカッコつきで紹介し、実際にユーザーが言っているかのように見せている点です。
以下、記事からの引用
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医師と薬剤師に低調な要因を尋ねたところ、両地域とも「患者が新薬を希望するから」が高い割合を占めた。県内市町村では、15歳(一部は18歳)までの子どもを対象に医療費を無料化していることを背景に、「保護者が『無料だから新薬を使いたい』と考えている」との指摘もあった。
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私のようなひねくれ者としては、「医療費?どうせタダなんだから、ジェネリックなんて使わないもんね!」と開き直っている"無知な子育て世代"のイメージを押し付けられている気がしてしまいます。
さらに。
以下、記事からの引用
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山梨県はジェネリックに新薬と同じ効果が見込め、安全性も確保されていることをPRして、不安を払拭ふっしょくすることが普及のカギとみて、新たにテレビCMのほか、子どもや子育て世代向けにマンガ、インターネットを通じた情報発信を始める。
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そこが問題なんでしょうか??マンガやインターネットで普及の鍵??まぁやらないよりかはいいよね。今更全然ニュースバリューない活動だけど、と思わず突っ込みたくなります。
私個人としては、小さい子供および妊娠中&授乳中の自分には、基本ジェネリックを積極的には使いたくない派です。なぜなら小さい子供にとって体に取り込む薬や食べ物の影響は非常に大きいから。親として、きちんと調べた上で不安が残るものは可能な限り排除する責務があると考えています。
残念ながら、ジェネリックについては、安全性や効果については、先発薬と厳密に比較するとどうしても不安が残ります。もちろん同等の効果や安全性があることが証明されているのですが、やはり開発期間の短さなどは気になります。
とはいえ、医療費を抑制するのも一国民としての責務。安全性と効果のエビデンスが一定レベル以上取れているものならば、極力取り入れなければとは思います。ただこの見極めは素人には正直難しいので、プロに判断をお願いしましょう。
ただやみくもに「ジェネリック安全だから使いましょう」とPRするだけでは解決にならないと思う根拠を、次でお話します。
鶴屋吉信の水羊羹を堪能
中学生くらいの頃から京都好きだった。当時はビバリーヒルズ(懐かしい!)とか流行ってて、日本ダサっ!みたいな空気がありましたので、なかばアンチ根性も手伝って、敢えて日本的なものに傾倒しておりました。
中高時代に所属していた演劇部の友達とは何度も京都ツアーを決行。妙心寺の宿坊に泊まったり、大学受験を控えた夏に祇園祭に行ったり、大学生になってからはウィークリーマンションを借りて1週間ほど滞在したり。京都にはそんな若かりし日の思い出がいっぱい。
縁あって今は夫の実家が京都です。夫のご家族が我が家に来てくれるとき、京都の銘品を頂けるのも楽しみのひとつ。この夏は義妹から鶴屋吉信の水羊羹を頂きました。(写真汚くてすみません。。)
http://www.turuya.co.jp/syoukai/new_honwarabi.html
水羊羹なんて若い時には見向きもしませんでしたが、なんて美味しいの〜!!としみじみ味わえる年になってまいりました。深みがあるのにくどくなく、程よい甘さで、するすると入ってしまいます。また夏が来た時に頂きたくなるお味でした。
ちなみに同じく老舗和菓子店の「とらや」。私はずっと東京のお店かと思ってたのですが、京都に店舗を見かけたのをきっかけに京都創業と知りました。義両親から聞くところによると、室町時代に京都で創業し、御所の御用達として永年名を馳せていましたが、明治2年の遷都にともない東京進出したことで、京都の人達からは完全に嫌われてしまったようです(オソロシヤ笑)。
ちなみにかつて本店だった京都一条店は今もその姿を残しています。
ようやく叶った息子の運動会
ブログの1回目にサラリーマンを辞めた話を書きました。
https://polar-night.hatenablog.com/entry/2018/09/26/143337
今はフリーランスとして、古巣のお仕事を中心に主に在宅で働いています。業務を実行可能なボリュームと内容に調整したので、無理のない範囲で業務を遂行できています。
不思議なことに、私がサラリーマンを辞めることが正式に決まった2ヶ月前から、息子も娘も、病気になる頻度が劇的に減りました。私自身も日によってはあわあわすることはありますが、以前より心身ともにヘルシーな生活になりつつあります。
つまり、常にやり終えてないことが山積してカリカリしたり、子供の体調不良に苛立ちを覚えたり、常に頭が仕事のタスクを処理し続けている状態から、解き放たれつつあります。
息子の園では毎年10月に運動会が開催されるのですが、秋は決まって息子の喘息が悪化するため、一度も参加できたことがありませんでした。というか、園イベント自体に参加できたことがほとんどありませんでした。今年の5月の保育参観も流行性角結膜炎で欠席。7月の夏祭りは何とか参加できたと思ったら肺炎起こしかけて翌日緊急入院。なので運動会もどうなることか、ヒヤヒヤしていました。
結果、昨日無事参加を果たしました。親としては本当に感無量でした。
こんなに子供の成長を感じることのできるイベントって、他にはないのではないでしょうか(卒園式除く)。子供達が一生懸命練習した遊戯をはにかみながら披露したり、真剣な眼差しで駆けっこをする姿。こんな素敵な瞬間を作るべく、何ヶ月も前から準備してくれた先生方には感謝の気持ちでいっぱいです。
自分のキャリアとしては失点が大きかったと思いますが、息子が運動会に参加でき、今を精一杯に過ごす姿を目にできたことは、それを大きく上回る素晴らしい得点でした。
トロムソに思いを馳せる
もう6~7年前になるでしょうか。
12月の極夜シーズンに、ノルウェーのトロムソを訪れました。
トロムソはノルウェー北部にある人口30万人ほどのこじんまりした都市です。
かつて北極探検隊はここから出港していました。
トロムソの対岸側にあるストールタイネン山頂から見渡すと、トロムソ島がいかに壮大な自然に囲まれているかが分かります。
この山々を越えたずーっと先に北極海があると想像すると「地の果てに来た感」を味わえます。北欧の良いところのひとつは、想像を絶するレベルのダイナミックな自然を満喫できるところですね。
そしてビール好きなら是非行ってほしいのが、ここ!世界最北のビール醸造所です。こんな極寒の地でビール醸造所を作ろうなんて、本当情熱のなせるわざですね。
いつか子育てがひと段落したら、家族で是非また訪れたい街です。
そんな日を夢見て、また今日も頑張ろうと思うのでした。
横山大観のプロ意識が凄い
山種美術館で開催中の「日本画の挑戦者たち」を鑑賞してきました。
近代以降の日本画壇において先導的な役割を担ってきた日本美術院(いわゆる美術学の権威的な施設)において、特にめざましい活躍をみせた横山大観、菱田春草、小林古径、速水御舟など、才気あふれる画家たちの挑戦の軌跡をたどることを趣旨とした展覧会です。(参考:山種美術館)
http://www.yamatane-museum.jp/exh/current.html
所狭しと並べられた作品にはいずれも、それぞれ独自の世界観が広がり、静かなパワーに満ちていました。明治以降、世界の美術界における「日本画」の存在感をしっかりと打ち出すべく、新進気鋭の画家達が、試行錯誤と挑戦をし続けた、痕跡を確認することができます。
一番印象に残ったのは横山大観の「喜撰山」。この絵だけ、ほんのり輝きを放っているような気がしました。が、気のせいではありませんでした。紙の表面を薄く剥いで、裏に金箔を貼り、ここ、京都宇治市特有の赤土の色味を表現したんだとか。大観51歳の時の挑戦。
大観の作風は好きですが、正直素人なので画家としての評価は専門家に頼るしかないですが、ひとりのプロとしては間違いなく素晴らしいと確信しました。
今日は仕事する傍ら、大観のこの絵を目に入るようにしてみました。情熱的なパワーを分けてもらえたような、そんな気がしました。
速水御舟《昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯》
展示会で撮影を許可された2点。二つは対比関係になっていて、前者はシルバーや静、後者はゴールドや動を表しているのだそう。また写実主義が特徴で、蛾は専門家が見てどの種類か判断のつくレベルに、本物に忠実に描かれているのだとか。